ソロ遠足。 ― 2005年10月19日 21時59分
さて、そうは言うもののどこへ行こう? 突然降って湧いた休日、かえって何をしたらいいのかわからないもんです。ただ、散歩好きの身としてはどこかぶらぶら歩き回りたいなあと、それだけ。ここしばらく美術館も行ってないし、と思って最初は木場の現代美術館でイサム・ノグチ見て清澄庭園見て深川巡り…と思ったんですが、どうも気分は街歩きではないことに気づき、下りの電車に乗る方向で再検討。緑豊かで、自分にとっては目新しい…という視点で探していたら、見つけました。西武拝島線の玉川上水駅。そうです、上水沿いの散策を楽しんだあと、まだ乗ったことのない多摩モノレールに乗って南へ下ろう! ちょっと「鉄分高め」のプランですかそうですか。でも未知の鉄道で見知らぬ風景ってのは、いつになっても良いものですよ。まあ、多摩地区の多くは見慣れた風景ですけど、東西の交通網ばかり発達しているので、南北に走るという体験は新鮮です。
さて。玉川上水駅は、本当にすぐ横を玉川上水が流れています。昼なお暗き、と言っても誇張ではない、鬱蒼とした木々に覆われた上水はちょっとした秘境です。実は、この一帯のみならず、もっと下流でも玉川上水沿いには素敵な散策路があちこちにあります。小金井公園の横、三鷹駅から境浄水場にかけてなどは、とても都心から数十分とは思えない豊かな緑と水音に恵まれた憩いの場です。小平あたりも、私はまだ行ったことがありませんが、とても気持ちよさそうです。
ということで、電車の下りの向き、上水の上流方向へ少し歩いてみました。
ユーミンの「悲しいほどお天気」に出て来る「上水沿いの小道」は小平の武蔵野美大周辺と思われますが(そう言えば出身は多摩美ですよね…わざわざ取材した?)、きっとこんな雰囲気なのでは。この雰囲気なら「絵を描く私たち それぞれ一人にさせた」のもむべなるかな。それにしてもこのフェンス、景観的には今一つですよねえ。でも玉川上水と言えば、三鷹のほうでダザイ先生が事件を起こした過去もあるので止むを得ません。
ぷらぷらと片道15分程度を行って戻り、多摩モノレールに乗ります。南北に走る路線で10分おきのダイヤというのは、十分便利なのでは。かくて一路南へ。モノレールは両側にフェンスもなく、上空に架線もないので、本当に空が広い。遮るものなく武蔵野台地を360度見渡しながらミドルスピードの旅、これは結構快適です。
立川で一旦降ります。昭和記念公園へ行く時に乗り換えで通ったりはしてるのですが、駅の外へ出たのは何年ぶりだったか。その変貌ぶりに思わず目を白黒です。いや黒白かもしれません。伊勢丹だの高島屋だのその他諸々の大型ショッピングビルが、しかもピカピカの新品で立ち並び、しかもそれらが全部歩行者デッキでつながっていて。いくら歩いても歩行者デッキから地上に降りずに行けてしまいます。で気がついたときは、ファーレ立川というらしいんですが見知らぬビジネスパークに一人さまよっている有様。未来都市ってちょっとこわいです。そうそう、未来都市と言えば、モノレールのある風景って、なかなか未来的かもしれません。ビルの間をくねくねと縫っているモノレールの線路というのは、ちょっと浮世離れした絵面ではないかと思います。…でも東京モノレールのある風景って、そうでもなかったような。製造年月日が古すぎるせいでしょうか。
軽くラテとサンドイッチのお昼をすませて、ふたたびモノレールで南へ。多摩川と浅川が合流するあたりを越えていきますが、広々としたよい眺めです。越えると高幡不動です。ここも来たことがなかったので降りてちょっと散策。お不動さんには交通安全を祈願しておきましょう。そういえば先日事故現場見ちゃったりしたし、くわばらくわばら。おまじないが間違ってるかもしれません。そして裏の山に廻らされた散策路へ。本当は山あじさいの季節がいいらしいのですが、この季節も緑豊かでなかなかよかったです。
まだ夕方まで時間があるので、さらに南へ向かうことにします。ここから先は丘陵地帯に入るので風景は一変。トンネルがあったり谷あいだったり。明星大と中大の巨大建造物群の間を抜ける感じもシュールです。かくていくつか谷を越え山をくぐり、終点の多摩センターへ。…知ってはいましたが、微妙に緩みつつある感じの街ですねえ。広々とした感じが開放感、活気へつながっているというよりは、静かさを強調してしまうような。駅前から続く広いプロムナードの坂を登り切ったところにある「パルテノン多摩」の寂寞とした感じが何とも言えません。
なんて言いつつ実はパルテノンに来てみたかったというのが目的の一つだったり。実はこの日、道連れが一人(?)、おりました。買いたてのデジカメで、ちょっとこいつを写真に撮ってみたかったのですが、自宅のテーブルってのも背景が今一つ、それじゃあと連れ歩き、ロケハンしておりました。その候補地の一つがここ、かのパルテノン多摩だった、というわけです。で、色々撮ってみたのですが、黒御影なんでしょうか、しっかり絵になるステージにこいつを乗せてみると、ちゃんと記念撮影らしくなりました。まあ、事情を知らず写真だけ見ると「このロボットは何しにこんなところに来たんだ?」ではありますが…。
そうです、先日アップした横浜プチ旅行の記事に使ったロボットの写真は、このとき撮影したものの切り抜きです。縮小せずトリミングで切り抜いた分、あっちのほうが画質はよいですね。
そんなこんなで間もなく夕方の5時。正午からのひとり遠足も終了の時間です。上り電車には帰宅時刻らしい雰囲気が満ちつつありました。池袋に寄って新しいメガネを引き取り、東武デパートのSwatchショップに寄ってから帰宅。そうそう、時計も収穫があったのですが、その話はまた機会があれば。惚れ込んだデザインの廃番品に出会えてホクホクです。
[後日談] …とリフレッシュしたはずなのですが、なぜか翌日から突発のトラブルに見舞われ、結局は休暇をとった分だけ毎日遅くまで残業する羽目に。あっという間にリフレッシュ気分のストックを使い切った感じです。もったいない!
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