みなと東京五月晴れ。 ― 2007年05月20日 23時51分
http://www.kohkun.go.jp/nipponmaru/spec_nmaru.html
デジカメ忘れて出たのでこれで勘弁してください。それはさて置き、帆船を間近で見るなんて初めてだったのですが、これが。アナログのメカって素晴らしい! 木製の滑車、ロープ、繋留索を回すキャプスタンとそれを回すための木製のバー。特に、何百というロープと滑車の組合せが一つのマストの帆をコントロールするために張り巡らされた様にはクラクラします。
これ、最近ピアノの調律のときに改めてハンマーユニットのメカニズムを覗き見たときにも、そんなことを感じました。エレクトロニクスやファインテクノロジーもそれは凄いと思いますが、アナログつまり物理的な動きだけで組み上げられた機械の精巧さというのは、また違った感慨を呼び起こします。匠の技をことさらまつり上げようというつもりはないのですが、でもこの一連の体系を築き上げるために費やされた「物理法則との会話」、それを持続する意思の強さを思うと溜息が出ます。
滑車をアップで撮った写真でもあればいいのですが…残念。
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みなと祭の晴海会場を見終わって、バスに乗って豊洲へ。折角だから豊洲にできた巨大なららぽーとを買物がてら見物しようということで。
http://toyosu.lalaport.jp/
想像してたのよりずっと内容が多彩で、よく考えられていて。これは一日遊べますよ! よく晴れていたので、海に面した公園のようなスペースがとても快適。ドック跡を改修したクルーズ船の発着場と広場を囲んで、テラスのあるレストランが並んでいたので、その一つでまだ明るいうちから軽い夕食とお酒を。ちょっと風が強過ぎて、滑るグラスを押さえながらでしたが。
店舗は子供服からインテリアまで色々と。家族連れをターゲットにしているので、華やいではいても気の張らない雰囲気というのも有難いです。しかしこれだけのものを造っておきながら、名前はやっぱり
「ららぽーと」
でなきゃならなかったんでしょうか。なんかヘン。
充実の休日(1): 展覧会に行く。 ― 2006年05月30日 23時55分
以前スペイン旅行をしたときはまだ息子が小さくて、とても美術館など行けなかったので、この展覧会を見るのはその埋め合わせみたいな部分もあるのですが、息子がイヤホンガイドも要らないと言い、一人で上手に人混みをすり抜けて作品解説を熟読しながら鑑賞するさまにはしみじみと歳月を感じてしまいました。
それはさて置き。この展覧会、5つのパートに分かれていましたが、個人的に収穫だったのは第1部のスペイン黄金時代のバロック絵画。リバルタ、リベーラといった名前を知らなかった画家の素晴らしい作品に出会えたのが特によかったです。エル・グレコやベラスケスもいいのが来ていて、堪能しました。一方、ティツィアーノはあまり趣味ではないなあと思ったり、フランドル絵画やロココやゴヤ作品はあまりいいものが来てないなあと思ったり。そんな緩急はありましたが、トータルでは見応え十分の展覧会でした。
にしても、リバルタやリベーラの人物表現における繊細な光の扱い、陰影、何人かの画家によるボデゴン(静物画)の、デザイン的とも言える抽象化された構図の端正さ。圧倒的な美って素晴らしいです。こういうものに接すると、日々の些事なんかさて置き、もっと自分も美のために時間と労力を注ぎ込むべきなんじゃないか、と強く思います。…うーん、もっと音楽したいし、文字作品ももっと高いところを目指したいもんです。
展覧会を見終えて昼食は何か買って公園内で、と思ったんですがあまり食指の動くものがなく、足の向くまま街のほうへ下りていき、結局「伊豆栄」でうな重という思いがけない贅沢コースとなりました。地理に明るくない上野界隈で、唯一知っている「名店」がこの池之端の老舗だったのです。でも池を見下ろす明るい店内でいただく鰻は、甘さを抑えたたれの味がふっくらした身の風味を引き立てて、美味しゅうございました。
晩秋の公園素晴らしい。 ― 2005年12月03日 23時31分
ひょっとすると紅葉の最盛期を逃したおかげかと思える拾いものも少々。どうやらエコアートみたいな名前で呼ばれるもののようですが、草木を使った野外彫刻がそこここに置かれていました。草月会のものが多くて、ひそかに草月支持者である身としては嬉しい限り。そんな中にまぎれて、こんなお茶目なでんでん虫も!
かわいい!
昭和記念公園に来る時は西立川の駅で降りてすぐに原っぱや「こどもの森」方面に向かってしまうので、西洋庭園風の広大なエントランスがある立川口方面にはほとんど行ったことがないのですが、今回はサイクリングコースを隅々まで回るついでで、足を伸ばしてみました。
なんかこう、モニュメント越しに立川のビジネス街が見えるという景観設計も、なかなか壮観です。この広大なモールを歩いて門の方に向かってみると…おお、準備が進んでいますよ、有名なクリスマスイルミネーション。シャンパングラスタワーの噴水も組み上がり、水を通して最終確認中といった感じです。一度見に来たいものですが、うーん、子連れさんはお呼びでないかなあという気もします(寂)。
園内の紅葉は、サイクリングコース沿いもさることながら、やはり日本庭園でしょうか。かなり散ってはいたものの、こんな見事な紅葉のカエデの木を見つけたり。
それから池に映る雪吊りも素敵です。そもそもこの地で本当に雪吊りが必要か、という疑問はいつも持つのですが、美しいからよいのです、多分。
たっぷり園内周遊を楽しんで自転車を返却したあとは、閉園まで少し時間があるので、これまた普段は素通りしてしまう池の周りを散策。人工の池の風景にはあまり興味を引かれなかったのですが、歩いてみるとこれもこれで気持ちいいです。丁度空も晴れ渡ってきて、池に映る夕映えも、暮れなずむ空に映える木のシルエットもきれいです。晩秋の公園、素晴らしい。また来年も来ますね(ってオニが笑いますよ?)。
イサム・ノグチと「かたち」そのものへの旅。 ― 2005年11月20日 22時42分
また、通して見ていて面白かったのは、形への関心のかたちは色々と変遷しながらも、ノグチは最初から最後まで一貫して「ノグチ」だったように思えたことです。たとえば初期の作品に、滑らかで不規則な形に削った木片から太い曲がった針金が芽のように伸びているものがあるのですが、既にそこには単に形態を純化するだけでなく、形態に自然の摂理を見るような視線を感じます。晩年の大作「エナジー・ボイド」(エネルギーの虚空:何て本質的な命名!)には逆に、晩年の関心事の集大成だけでなく、形態を純化する志向が初期から晩年まで一貫して底流に流れていたことを匂わせます。「かたち」そのものへの飽くなき関心は、さまざまに形を変えつつ円弧を描き、また元の場所に戻ってひとつながりの輪を作ったのかもしれません。それこそ「エナジー・ボイド」のような。
そんなことを思いながらつらつら見たのですが、やはり息子的にはワークシートと「モエレ沼公園」の遊具が楽しかったようで、特に遊具「オクテトラ」では、方々の穴から出たり入ったり、登ったり降りたり、それは長い時間遊んでいましたとも。やっぱり子供は子供だねえ、と思いつつも、それだけ夢中にさせる遊具ってさすがだなあ、と思ったり。私はちょっと遠慮しましたが大人もたくさん出たり入ったりしてましたよ。
さて、ノグチ展を見終わって時間が余ったので、もう一つの特別展と常設展も見ました。で、息子に何が面白かった聞くと、結構「現代現代したもの」が面白かったりするのですね。これ、どうやら学校での図工の授業の影響もあるようで、私なんかが子供のころに比べると、何かに見立てて造形するとか、自由に面白い形を作ってみるなんてことをかなり色々やってるんですね。うらやましい…
途中でレストランに寄ったり、外庭を散歩してみたり、何だか「息子とデート」な一日で、親的にもとても満足でした。現代美術館ありがとう、遠いのでなかなか行けませんがまた良い企画を期待してます。
ちょっと補足。現代美術館は確かに鈴木都政が残した「大きすぎるハコもの」の一つではあろうと思いますが、少なくとも現在は非常に無駄なく使われていると個人的には思っていて、とても好きな場所です。もちろん、「ヘアリボンの少女」に50億だか積んだというのはさすがにぼったくられのように思いますが、実はそれ以外の常設コレクションの揃いの良さが特筆ものです。もう20年近くも前になりますが、学生の貧乏旅行で寄ったニューヨークのMOMAは、マチスやロスコのコレクションが素晴らしかったのですが、それすら現代美術館の選択眼には及ぶべくもないと感じるほどです。ポップアート、抽象絵画、コンセプチュアルアート、どれをとってもその面白さを十分に感じさせるラインアップ。かつ常設展はまず混まないので、ゆったり静かな気分で鑑賞できるのもお勧めポイントです。
ソロ遠足。 ― 2005年10月19日 21時59分
さて、そうは言うもののどこへ行こう? 突然降って湧いた休日、かえって何をしたらいいのかわからないもんです。ただ、散歩好きの身としてはどこかぶらぶら歩き回りたいなあと、それだけ。ここしばらく美術館も行ってないし、と思って最初は木場の現代美術館でイサム・ノグチ見て清澄庭園見て深川巡り…と思ったんですが、どうも気分は街歩きではないことに気づき、下りの電車に乗る方向で再検討。緑豊かで、自分にとっては目新しい…という視点で探していたら、見つけました。西武拝島線の玉川上水駅。そうです、上水沿いの散策を楽しんだあと、まだ乗ったことのない多摩モノレールに乗って南へ下ろう! ちょっと「鉄分高め」のプランですかそうですか。でも未知の鉄道で見知らぬ風景ってのは、いつになっても良いものですよ。まあ、多摩地区の多くは見慣れた風景ですけど、東西の交通網ばかり発達しているので、南北に走るという体験は新鮮です。
さて。玉川上水駅は、本当にすぐ横を玉川上水が流れています。昼なお暗き、と言っても誇張ではない、鬱蒼とした木々に覆われた上水はちょっとした秘境です。実は、この一帯のみならず、もっと下流でも玉川上水沿いには素敵な散策路があちこちにあります。小金井公園の横、三鷹駅から境浄水場にかけてなどは、とても都心から数十分とは思えない豊かな緑と水音に恵まれた憩いの場です。小平あたりも、私はまだ行ったことがありませんが、とても気持ちよさそうです。
ということで、電車の下りの向き、上水の上流方向へ少し歩いてみました。 ユーミンの「悲しいほどお天気」に出て来る「上水沿いの小道」は小平の武蔵野美大周辺と思われますが(そう言えば出身は多摩美ですよね…わざわざ取材した?)、きっとこんな雰囲気なのでは。この雰囲気なら「絵を描く私たち それぞれ一人にさせた」のもむべなるかな。それにしてもこのフェンス、景観的には今一つですよねえ。でも玉川上水と言えば、三鷹のほうでダザイ先生が事件を起こした過去もあるので止むを得ません。
ぷらぷらと片道15分程度を行って戻り、多摩モノレールに乗ります。南北に走る路線で10分おきのダイヤというのは、十分便利なのでは。かくて一路南へ。モノレールは両側にフェンスもなく、上空に架線もないので、本当に空が広い。遮るものなく武蔵野台地を360度見渡しながらミドルスピードの旅、これは結構快適です。
立川で一旦降ります。昭和記念公園へ行く時に乗り換えで通ったりはしてるのですが、駅の外へ出たのは何年ぶりだったか。その変貌ぶりに思わず目を白黒です。いや黒白かもしれません。伊勢丹だの高島屋だのその他諸々の大型ショッピングビルが、しかもピカピカの新品で立ち並び、しかもそれらが全部歩行者デッキでつながっていて。いくら歩いても歩行者デッキから地上に降りずに行けてしまいます。で気がついたときは、ファーレ立川というらしいんですが見知らぬビジネスパークに一人さまよっている有様。未来都市ってちょっとこわいです。そうそう、未来都市と言えば、モノレールのある風景って、なかなか未来的かもしれません。ビルの間をくねくねと縫っているモノレールの線路というのは、ちょっと浮世離れした絵面ではないかと思います。…でも東京モノレールのある風景って、そうでもなかったような。製造年月日が古すぎるせいでしょうか。
軽くラテとサンドイッチのお昼をすませて、ふたたびモノレールで南へ。多摩川と浅川が合流するあたりを越えていきますが、広々としたよい眺めです。越えると高幡不動です。ここも来たことがなかったので降りてちょっと散策。お不動さんには交通安全を祈願しておきましょう。そういえば先日事故現場見ちゃったりしたし、くわばらくわばら。おまじないが間違ってるかもしれません。そして裏の山に廻らされた散策路へ。本当は山あじさいの季節がいいらしいのですが、この季節も緑豊かでなかなかよかったです。
まだ夕方まで時間があるので、さらに南へ向かうことにします。ここから先は丘陵地帯に入るので風景は一変。トンネルがあったり谷あいだったり。明星大と中大の巨大建造物群の間を抜ける感じもシュールです。かくていくつか谷を越え山をくぐり、終点の多摩センターへ。…知ってはいましたが、微妙に緩みつつある感じの街ですねえ。広々とした感じが開放感、活気へつながっているというよりは、静かさを強調してしまうような。駅前から続く広いプロムナードの坂を登り切ったところにある「パルテノン多摩」の寂寞とした感じが何とも言えません。
なんて言いつつ実はパルテノンに来てみたかったというのが目的の一つだったり。実はこの日、道連れが一人(?)、おりました。買いたてのデジカメで、ちょっとこいつを写真に撮ってみたかったのですが、自宅のテーブルってのも背景が今一つ、それじゃあと連れ歩き、ロケハンしておりました。その候補地の一つがここ、かのパルテノン多摩だった、というわけです。で、色々撮ってみたのですが、黒御影なんでしょうか、しっかり絵になるステージにこいつを乗せてみると、ちゃんと記念撮影らしくなりました。まあ、事情を知らず写真だけ見ると「このロボットは何しにこんなところに来たんだ?」ではありますが…。そうです、先日アップした横浜プチ旅行の記事に使ったロボットの写真は、このとき撮影したものの切り抜きです。縮小せずトリミングで切り抜いた分、あっちのほうが画質はよいですね。
そんなこんなで間もなく夕方の5時。正午からのひとり遠足も終了の時間です。上り電車には帰宅時刻らしい雰囲気が満ちつつありました。池袋に寄って新しいメガネを引き取り、東武デパートのSwatchショップに寄ってから帰宅。そうそう、時計も収穫があったのですが、その話はまた機会があれば。惚れ込んだデザインの廃番品に出会えてホクホクです。
[後日談] …とリフレッシュしたはずなのですが、なぜか翌日から突発のトラブルに見舞われ、結局は休暇をとった分だけ毎日遅くまで残業する羽目に。あっという間にリフレッシュ気分のストックを使い切った感じです。もったいない!
プチ旅行。 ― 2005年09月24日 22時59分
旅行、といっても超近場の江ノ島→鎌倉→横浜ってルートです。そんなん泊まりで行くんかい、と突っ込まれそうです。でも都の西北の隅っこに住んでると湘南って遠いんですよ。首都圏の人でもTDLに1泊かけて行く人はあるようですから、そんなようなノリと考えていただければ。
リニューアルしてから評判の高い江ノ島水族館。これが初日の目玉です。噂の「相模湾大水槽」、何てったって生態系そのままに捕食の現場が見られるというのですからワクワクもします。息子にとってもまさに「生きた教育」になるでしょうし。ということで入館。大水槽に行き着く前にもう心は鷲掴みです。最初のディスプレイは「荒波に洗われる磯」そのものの再現。ざっぱーん、と波がひっきりなしに打ち付ける中で揺れてるゴンズイ玉! そして大水槽を回り込むように段々深い海へ降りて行くのですが、浅いところですでにサメやエイの優雅な回遊に興奮です。そして底から見上げる相模湾大水槽…相模湾の生態系をそのまま持って来たという大パノラマ。見飽きないです。群れなして泳ぐイワシたち、思わず「美味そう」と呟いてしまう回遊魚(名前はどれがどれかわからない…)、そして。群れから離れた、弱り切った小魚を、ちゃーんと他の魚がついばみに来てるじゃないですか。これだ! やっぱり新・江ノ島水族館は画期的でした。
それから、写真こそ撮りませんでしたが、ここの深海生物コレクションはすごいです。潜水艇が海溝で採取してきた生物はとくに驚きで、何せ日光が届かないので光合成する植物を基盤にした生態系ではなく、二酸化硫黄とかを分解する化学バクテリアが重要な役割を果たしているなんて、まるでどこかよその星みたいです。しかもそんな生物のうち、常圧でも生きられる殻のある種を生きたまま展示している。ゲテモノ好きの方はもちろんですが、そうでない方にもおすすめの「アナザーワールド」です。
そんな迫力の江ノ島水族館なのですが、ペンギン舎に足を伸ばして、奇妙な光景を見かけました。ペンギン君が数匹また数匹と、連れ立って沖の方を見ています。が、実はその海の風景は、壁に書かれた絵なんですね。何かちょっと可哀想じゃないですか? ガラス張りにして相模湾を見せてあげればよいのに。壁と知ってか知らずか、一心に遠くを見つめる彼らの後ろ姿に哀愁を感じました。
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水族館で思いがけず時間を使ってしまったので、鎌倉観光はコンパクトに長谷のみ。高徳院の大仏と長谷寺へ。子供の頃に来たときからずっと、ここは大仏よりも長谷寺が好きです。庭が素敵だし、仏様も十一面観音さんのほうが好みです。そうそう、偶々この日の朝、普段は見もしない占いランキングを見てしまったら最下位で、開運ラッキーアイテムが「お庭のきれいな寺」だったんですね。鎌倉に来なかったら一体どうなっていたんだ! ホント占いって面白いです。
横浜入りしたのはとっぷりと日も暮れてから。石川町駅から元町商店街を途中まで歩き、中華街に朱雀門から入ります。宿は中華街の中に位置するローズホテル(以前のホリデイ・イン)。交通費がかさまない分、宿はちょっとぜいたくしてみました(インターコンやパンパシほどではありませんが)。部屋がゆったりでスタッフも気持ちよく、休日らしい優雅な気分です。荷物を置いて、早速宵闇の中華街に繰り出します。どこで何を食べようか、が主眼ですが、どうしても雑貨に目が行きます。はやる気持ちは抑えて雑貨は後回しにし、揚州飯店の茶寮で北京ダックを。何を食べてもしつこい後味が残らない、よい味付けでした。さて雑貨ですが。ここへ来れば会えると思っていた、ブルース・リーの携帯ストラップ、買いましたよ! いえ私はブルースそこまでファンではないんですが、でもね、何となく、いいじゃないですかカンフーのフィギュア。
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翌朝目覚めると、台風が近づいているとのこと。窓から見る空模様は確かに今にも雨が来そう。でも今日が最終日なので、予定どおり横浜散策は決行。山下公園から港の見える丘公園を経由して山手巡りへ。山手234番館は外国人用アパートだった建物ですが、間取りが素敵でした。機能的で美しく、ゆとりもあって。何だかちょっと別世界です。それから北原照久氏の有名なブリキのオモチャ博物館へ。とても小さなスペースへの入場料が200円なんで、一瞬うーんと思いつつ、えいやと入ったのですがこれが素晴らしくて。壁面一面と中央ショーケースにビッシリの、さまざまな時代のブリキのオモチャたち。フライパンを返して目玉焼きをひっくり返す精巧なカラクリ人形なんかもあって、見とれます。お店の方も皆さん説明熱心で感じがよくて、素敵です。個人的に一番ヒットしたのが、ミッドセンチュリーもののロボットたち。とにかくどいつもこいつも、顔が四角くて目がまんまるで鼻が三角形ですよ! かわいいったらありゃしません。というわけでショップのほうで、ゼンマイで動くとてもちっちゃなロボット君を1体、買いましたとも。
ここを出たところで雨が降り始めました。うーん残念! エリスマン邸を見学していれば晴れ間もあるかと思えば雨脚は強くなるばかり。しかしそのとき地下から弦とチェンバロの響きが。行ってみるとコンサートやってるではないですか、ラッキー! 途中からでしたが古楽器の響きを堪能しました。おまけに演奏家の方の自作チェンバロを触らせていただいたり。雨宿りもいいことあるもんです。
雨があまりに止まないので…って台風接近中なんで当たり前なんですが、ともかくタクシー拾って元町まで降ります。なぜか雨傘を1つしか持たずに歩いていた三人なので、連れが傘を買いに歩き回ったのですが…元町って服と靴とバッグは至る所で売ってるんですが、傘って案外なくてビックリ。コンビニのビニール傘でもよかったんですがコンビニがない! ここは上等な街、だったのだなあ…と改めて思いました。
お昼は中華街に戻って、市場通りの青海星という店で飲茶しました。何となく雰囲気で選んだのですが、ここは甘い点心が結構多くて、本当に点心の本来の意味である「おやつ」っぽい傾向。おもしろ美味しかったです。おなかも一杯になったところで、あとはお土産の中華菓子を買い、初めて乗るみなとみらい線でみなとみらい地区に向かいます。とはいえ台風接近中、インターコンに向かうデッキは雨が吹き付け、しかも行こうと思っていたラウンジは夕方からの貸切の準備でクローズド。仕方なくとぼとぼとクィーンズスクエアに戻って店を探すと、いいところがありました。ブコ・ディ・ムーロという店、後で調べたら「壁の穴」系列のようですが、店員さんは感じがよく、屋外デッキ席は眺めも風通しも良好(台風近いとちょっと良好すぎるかも、ですが)。スパークリングワインとオードブル1品だけでしたが美味しかったですし。旅の締めくくりに一息つくには絶好のロケーションでした。
近場のわりにはしっかり日常を離れてリフレッシュできた、なかなかお買い得な旅行でした。これから暫く「プチ旅行」にはハマりそうです。
区役所へ行こう。 ― 2005年03月08日 23時47分
と いうわけで、いざだいこんの里区役所へ。しかしご覧の通り豪奢な建築物です。左下に見える必要以上に頑健な感じの歩道橋も非常にお高いものでした。これらが建造されるときにも、もちろん反対運動はあったのですが、のどかな里の民のせいか結局はそのまま通ってしまって今日に至るわけです。今こうして、コミットメントだあと躍起になっている理由の一つには、あのときちゃんと声を上げずにあきらめ気分でいたことへの反省というか、後悔があります。
などという昔語りはさておき。ともかく会派回りといっても慣れないので最初は戦々恐々。議員控室のフロアって、しんとしてて、一瞬ここにいていいのかと気 後れしそうになります。ですが大概の会派の部屋のドアには「ご自由にお入りください」と書いてある。うーん、でもきっと「怒鳴り込み」に来るような輩もい るんだろうなあ。そう思うと議員さんというのはなかなか精神的なタフさが要求される仕事です。
そんなこんなで、いくつかの部屋で話を聞いていただきながら、合間には区役所名物の展望室も見に行ってみたり。せっかく20階という高さに建てたのに、丁度北側の眺望を真っ正面で塞いでいるマンションが(上の写真では窓に映ってます)。なんで建設OKしたのかよくわかりません(笑)。前区長と仲が良かったなんて話も流れたことがありますが…だったらなおさら眺望ふさいじゃダメでしょう!
展望室では、おそらくその日の期末試験を終えて遊びに来ているとおぼしき男子高校生のグループが、ゆるーくおしゃべりをしてたり。正面のマンションを見な がら、あんな高いところに住むってどんな気分だろう、わからん、などと言ってます。たしかに、住んでみなきゃわからないでしょうね。それにきっと、住んで みたいと思う人とそうでない人ってキッパリ分かれそうな気がします。私は…高いとこはダメです。苦手です。地を這うような生活がいいです。
それにしても区議さんというのはよく話を聞いてくださいます。ウチの案件など、数多あるうちのたった1つにすぎないはずなんで、これが議員という仕事なの かと感嘆してしまいます。そんなこんなで方々で話し込んでしまい、気がつくと3時半。充実したお出かけでした。…あ、泳ぎに行きそびれた。身軽化遠のく!
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