「区民と区長のつどい」に行ってみれば…2005年11月13日 23時22分

わがだいこんの里の「ともに地域を築く区民と区長のつどい」というのが区内4か所持ち回りで行われているのですが、その第2回に行って来ました。保育園民間委託化では度重なる要望にもかかわらず保護者の前に姿を現さなかった、われらがだいこんの里の区長さんがどんな方なのか、質問にはどう答えられるのか。あわよくば質問してもみたいし…という関心で本日開催の回に足を運んだのですが、これが。

さすがに触れないでおくだろうと思っていた保育園の委託化問題について、事前に質問が多数来ていたということで、回答したんですね。ビックリ。しかし、その内容を聞いて、さらにびっくり。まず「(進め方が)強引なんてことは全くない」と…どの口で保護者との重要な約束事を2回も、一方的に反古にしてますけど、まさか忘れたとか?

それだけならまだしも、来年度からの委託検討対象になっている保育園の保護者からの質問に答えて、もっとすごいこと言っちゃいました。以下抜粋(要約の文責は私ですが、誓って曲げてません):

「一番大きな声は、『民間委託化絶対反対』。どんな委託であってもとにかくダメ、ということ。話し合いにならない。」
「(行政は)聞く耳を持たないと(保護者は)仰るんですが、私にしてみれば、こちらがこんなに(民間委託化の目的を)説明しているのに、聞く耳をまったく持っていないのは保護者です。」
「保育園の世話になっている子どもは10数%。80%以上は家庭で保育されているんです。子育て支援のお金を保育園ばかりに使っているわけには行かない。」

聞いてて思いました。これは区長という権力者による、区民へのパワハラじゃないんでしょうか。私が仕事と子育てで一杯一杯の保育園児の母だったら泣き出してるかもしれません。すごいこと言うもんです。私自身、ツッコミを入れたくて思わず何度か挙手してしまいました(まあ、当てられもしませんでしたが)。

幸い、事前に質問を送っていたもう一人の保護者の方に発言の番が回り、「委託化絶対反対とは言っていない」こと(区長の発言は事実の歪曲です)、「聞く耳を持っていないことはなく、色々な協議を行っている(以下具体例の例示あり)、委託に限定せず保育のあり方についても協議を求めているのに応じないのは区の方である」ことについて、沈着冷静かつ淡々としたコメントがあり(場内拍手…よかった)、健康福祉事業部長から「(保護者が)聞く耳を持ってないとは思っていない」と訂正が入ったので、まあよかったのですが…しかし唖然としました。保護者の前に出て来たと思えばこの発言。70万自治体の首長として、実に恥ずかしいです。

時間がないこともあって、問題発言の3つ目については発言者の方たちも具体的な議論には踏み込めなかったようですが、こいつもまた非常に問題が大きいです。要は「保育に欠けていようがいまいが、子育て支援のお金の掛け方は同じ」と言っているわけです。そんな馬鹿な、です。母親は働くな、働くなら自己責任で(苦笑)と言っているのと同義です。それに、「保育が受けられず、止むなく家で保育している」母親たちがいるのだという事実を全く無視しています。これはある区議さんの受け売りですが、「子育て支援」という括りのなかで、働く母親や片親の就労支援という視点がどんどん抜け落ちて行っているのは間違いないようです。そして、区長のこの不用意な発言から透けて見えるのは、それは「うっかり抜け落ちていっている」のではなく、働く母親という存在に対する強烈な風当たりがその視点を駆逐しようとしているのだ、ということです。だいこんの里の子育て支援、マジでやばいです。徹底して声を上げなければ、との思いを新たにしました。まけるもんか!

<追記>大事なこと忘れてました。もっと詳細に記録をとられた方がありますので是非ご一読を。こちらです