まめまつり収穫(1): 五十嵐彪太作品集。 ― 2006年01月31日 22時00分
500文字の心臓でもお世話になってる五十嵐彪太さんが、連作超短編を綺麗な豆本にまとめられたので、2種類購入。『恐竜観察記』(写真奥)は、イラスト入りで一篇ずつ別々の恐竜を題材にした作品が並びます。本当にありそうでなさそうな、恐竜たちのエピソードが素敵です。『影草子』(夏/冬二冊、写真手前)は、影をモチーフにした超短編を夏・冬の二集に編纂したもの。影に生命が吹き込まれ、つい影に語りかけたくなるような佳品が並んでいます。布張り表紙の美麗な、手のひらサイズの装丁も内容とよく響き合って、どちらも愛すべき一品に仕上がっています。お薦め。(写真はクリックすると大きくなります。テクスチャをぜひご覧あれ)
それにしても、こんなに連作小品の巧みな人もそうはいないのでは。ブログの連作もとても魅力的ですが、改めてこうやって本になったものを読むと、一つ一つの作品はむしろ慎ましすぎるくらいに抑制の効いたトーンなのに、並べることで作品の合間から立ち上がってくるものがあることに改めて気づかされます。連作なんてことで成功したためしのない身としては、感嘆することしきりです。
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